第506回(2022年09月28日)

海外視察報告〜表現の自由、デジタル〜

タイムテーブル

[開始] 本日の内容 (0:02:59)

本日は久しぶりの事務所内放送

[ニュース] Apple、App Storeでの値上げを実施 (0:04:45)

こういうことがあってはならない。最初は安いがのちのち高くなる、という件については過去の放送でも触れた。投げ銭時に半分プラットフォーマーがとるは取り過ぎでは?場所の提供も大切だが、こういうのは良くない。円安の便乗??アップル税では。

[ニュース] バイデン大統領、SNSの規制強化を訴える (0:07:15)

国内でも安倍元総理の事件があったときも、ネットを観て手製銃を作ったという発言に基づいてネットワーク規制の声が上がったのも事実。アメリカで規制されると日本にもダイレクトに影響が出てくる。SNS規制論が出てきてしまった。進んでしまうと情報の選別やブロッキングに話が進む可能性がある。フランスが参考にはなる。ヘイト表現、差別表現は不可。EUもSNS規制に肯定的。状況をみて表現の自由に影響がないようにしていきたい。

[ニュース] FC2無修正動画販売の刑事裁判でわいせつの意味を問う (0:10:10)

175条問題は山田事務所でも取り組んでいる。注目する裁判。わいせつの定義が司法判断になってしまう。グレーゾーンで緩和されつつあった状況に変動があるかも。こんなんで裁判やっているのもおかしい気もする、このまま行ったら有罪の可能性がある。相当な萎縮効果があるのは間違いない。立法で真剣にやる段階かもしれない。by小山さん
表現がグローバルで規制の方向に動いてる状況ではタイミングが悪い。AV新法も強化すべきという意見もでてきている。日本でも規制が強くなるかも、そのあたりをどうしていくか。世論次第ではもっと厳しいルールになる可能性もある。

[ニュース] 宗教2世問題で高額献金規制の法整備を訴える (0:13:32)

山田さん主催のチルドレンファースト行政の在り方勉強会で宗教二世の件を扱った。3名の主教二世、三世に参加いただいた。ご自身の経験をマンガにされている方も。報道記事については山田さんの発言と食い違う点あり。お金うんぬんの前に宗教二世、三世がいやいややらされているのは虐待であるため保護されないといけないが、行政は宗教ということで逃げ腰。逃げ場所が必要。記事が誘導されている感じがする。子供をどう守るかをしっかり議論する必要ありと発言したが記事になるとニュアンスが異なるな、と感じた。こどもの視点で考えていたつもりだが、記事になると変わると感じた。宗教の課題もあるが、まずは子どもをどう守るか、という論点で議論された。チルドレンファースト行政の在り方勉強会資料は公開されているので皆さんにもお伝えしたい。

[トピックス] インボイス制度 (0:19:13)

結論から言うとインボイスの論点はいくつかあるが、本名がばれてしまう。一括ダウンロードもできてしまう。個人事業主には多大な影響あり。どの論点でインボイスに反論していくか。まずは実名公表問題に対応した。9/22に日本漫画家協会、JAICAさんにお話を聞いた。9/26には国税庁が公表情報DLを停止。実は色々動いていたうちの第1弾。
山田さんからインボイスに明確に反対、赤松さんも反対としていたのだが選挙おちてたら大変だった。皆さんの支援もあり今回の結果に結びついた。取り組んでいる問題の1つが、今回の一括DL回避。今後も問題でてきたら都度考えていかないといけない。
個人情報保護法の保護の観点から言ってもあり得ない。政府内でも重要問題として動いてきていた。ただ、インボイス問題の難しい点がある。そもそも論で消費税反対(インボイスと関係ない)、複数税率には山田さん反対。軽減税率の議論のときにエロ本は8%据え置きはおかしいという意見があった。軽減税率は相性が悪い。色んな出版会社を敵に回して反対した。民間がこれは8%、これは10%としてしまうのはおかしい。表現の観点から言うと複数税率は相性が悪い。そもそもの話をすると複数税率が無ければインボイスも無かった。3%のときはまだよかったが、8%、10%となってきて問題に。益税ではないかという声も出てきた。サラリーマンは天引きされるが、個人事業主(1000万以下)は益になる仕組みはおかしいという声もある。
みんな反対しているのは免税制度がなくなることだと思う。税制適格制度があったとしても免税制度を残せば多数は納得するのではないか。消費税を廃止すると税収が不安定になる。
民主党誕生時は益税けしからん、といって民主党賛成して各社も賛成してたはず。
税制適格制度と免税制度は分けて議論が必要。→インボイス制度問題への対応案 だしたら「無い」って言われた。C,Bは新しい選択肢ではあると思う。

フリーランス新法とパブコメ (0:35:05)

下請法の議論をするべきと意見してきた。発注する側が1000万以下だと下請法にひっかからない。従業員たくさん、売上沢山ある会社がわざと1000万以下の資本金としているところもあるのではという疑惑もあった。1000万以下については撤回すべきと言っていた。なぜ1000万以下の企業は下請法の対象にはいらなかったかを説明。
フリーランスに係る取引の適正化に関する法律案(仮称)のポイント
新法はあくまでも一人親方のときに新法が適用される。
下請法との差異。小山さんから説明。
与党の責任者の一人として対処対応していきたい。色んなケースについてはパブコメでもあがってくるので読み込みたい。by山田さん
新法のリスクもある。

[特集] 海外視察報告〜表現の自由、デジタル〜 (0:44:58)

どこを回ってきたか。イスラエル、ドイツ、イギリス、フランス。政府民間の方と意見交換してきた。2週間でまわったのでタイトスケジュールだった。かなりの項目をやってきた。毎日大変だった。
イスラエルは思い出深い、物価高い・勢いある。小山さん
日本が安すぎ。パスタ一皿4000円、感覚は日本の2~4倍。
視察の概要・目的:2022/9/4~18 イスラエル、英、独、仏 9/27は1、2
1、表現の自由
2、デジタル・最先端技術
ある意味日本は進んでいた。ただイギリスは国民一人一人に番号がついていて共有がすすんでいた。例)コロナ対応。 エリザベス女王の演説でもNHSにお礼の言葉があった。NHSへの信頼感が半端なかった。イスラエルは技術が進んでいた、デュアルユーズ。軍事面に長けた技術を民間に転換。日本は自衛隊での技術は民転できない。アメリカも民転OK。デュアルユースはすごいと実感。セキュリティ技術は世界の基礎になっている。フランスのダッソー社←元ライバル社。副社長くらすの人と最先端技術を会話。VR医療など製造業以外の技術にも着手。都市のデジタル化もやってた。
3、子ども政策・孤独孤立対策
イスラエル:最先端技術・ベンチャー政策(元教え子と写真撮りました。)
高校卒業後に兵役後に横のつながりを持ったまま民間にでて協力しながら仕事している。日本のベンチャーのまずいところは集まるところがないから、無理やり集めている感がある。自然発生のベンチャーは大切。最先端をやってた人が自然と集まる環境が軍を中心にできている。お金も集まるし、グローバル企業ももともといた。最初からグローバル戦略。スタート時点で規模が違う。※問題もある。アメリカを最初からベースにしてるとアメリカに買われて地元になにも残りません。移民。
イギリスは次回。
ドイツ:国立図書館(DNB)フランクフルト・マイン館
2006年からボーンデジタル資料も収集。絶版の処理とかはどうしているかを追加質問中。
紙資料のデータ化は進んでいなかった、日本の方が進んでた。これはEUと日本の考え方の違い。EU:民間に任せられるものは民間に、とう考えなので日本みたいに国が全部するというのはナンセンスなのかもしれない。ヨーロッパと日本だと資産の考え方が違うのかも。
ヨーロピアーナ:著作権の問題がない資料のみを対象、としていたので少しがっかり。
ドイツと日本の納本制度の比較。
国立国会図書館による「図書資料」デジタル化の現状 予算付ける前は10年間横ばいだった。
CD等の光ディスクの寿命:20~30年 劣化するのでは、1か所傷ついたらデータ出せなくなる。紙の方が持つ。光ディスクは361点しか読み込んでないとは思ってなかった。
参考:世界初の音楽CDは?
参考:CD新譜数の推移(一般社団法人日本レコード協会より)30年以上前の新譜数10万点いじょう※寿命の危機!?
図書館の人とも議論した。会社で保存されているものも劣化して聞けないのでは?

フランス:デジタルは次回
フランス:文化省 パロディとは?パロディの定義は風刺、批判を前提として政治的な心情を言うらしい。日本はリスペクト。フランスでは2次創作は海賊版、守られていなかった。なんのために守る必要があるのか、とのこと。
文化保護はすごい手厚い、コロナ禍でも40億ユーロだしてる。
フランスにおける表現の自由(差別表現は制約を受けることが前提)
フランスの差別表現規制:出版自由法、プレヴェン法、ガイソー法
表現の内容を規制する法律はある。ただ芸術表現は保証している。
フランスの芸術表現保証:創造の自由、建築及び分解遺産に関する法律
フランスの児童ポルノ規制:フランスを含む欧州では児童の性的虐待に対して極めて厳格であり、明らかに青少年の性描写がある作品の出版はあり得ない(漫画を含む)
フランス刑法典(第227-23条)非実在・実在の明記は無いがバーチャルも含まれる。
パロディにはかなり寛容だが、それ以外には厳しい。
フランスのパロディ規定 ①ユーモアの意図があること、②混同のおそれがないこと、③当該分野の決まりの要件をすべて満たしたときにのみ適用がある。ファン活動としての二次創作にはパロディ規制の適用は難しい。
日本はだいぶ寛容、世界的に見ると少数派。
フランス:ダッソー社
改めて日本の良さを再認識できた。ドイツのアーカイブ視察をうけて光ディスク等のデジタルアーカイブもしていかないといけない。図書館とも会話し始めている。国内でも取り組んでいきたい。
フランスの考え方を聞いていて、フランスに同人誌はないのかと思った。めぐめぐさん
原作あるの知らないかも。日本の権利者が肝要なので二次創作が進んでいるのかも。
人権はグローバル、文化はローカル。日本の通信はダントツで良かった。インフラは過剰な品質くらいだけど凄い。日本の遅れている部分もあるが、自信を取り戻してもいいと思う。