第527回(2023年03月08日)

不同意性交等罪、撮影罪の論点と課題 ~性被害をなくすために必要なこと、国民生活の混乱を防ぐために必要なこと。賛成論と反対論~

タイムテーブル

[開始] 開始 (0:00:34)

新サイバー犯罪条約の予定でしたが、山田さんのスタンスや考え方を表明するためお伝えしたい。

[特集] 不同意性交等罪、撮影罪についての見解 (0:01:22)

山田太郎の見解
 性被害をなくすために必要な法改正は重要、不同意性交罪への改正、撮影罪の新設自体については賛成。しかし留意が必要な点がある。あとで詳細説明。
 映り込みの扱い、なし崩しなブロッキング拡大への歯止め。
ネットでは赤松さんに対して、自民党の法務部会での対応について誤解のある情報が広がっている。本当に性被害を防ぐためには不足している。課題が多い。政府側から担保されない限り通せない。審査1回予定だったが検討を続けた。
事務所でも議論はあった。懸念点が色々あるから拙速に通さない方がいいという議論もした。しかし性被害をなくすためにしっかり対応しないといけないので改正と、撮影罪新説は賛成した。
法務省からでてきた。一つ一つの文言の闘いだった。弁護士の自分でも読みにくい。ひとつひとつ解釈を確認しながら、かんり神経を使いながらやった。3時間と山田さんが言っていたが法務部会の話、事務所内でも事前にもっと議論してた。

[特集] これまでの議論 (0:07:29)

これまでの議論 党内での会議を説明。
 党内では議論を重ねていた。※赤字は山田さん出席回。(6時間、国会質疑並み)
 山田事務所と法務省とで検討。(直近の会議) 2/28、3/2、3/3(3h)、3/6(2.5h)、3/6(法務部会)、3/7(法務部会) 相当慎重審議であった。
ヒアリングや検討先
 法制審議会とは?小山さんより説明。
 法制審議会は14回開催、メンバーも硬そう。教授、弁護士、検察官、裁判官 刑法に詳しい人が入っていた。1点きになるのは、パブコメなかったこと。
法制審議会でパブコメの代わりにしてるのが、ヒアリング。
 知見ある人にヒアリング。パブコメなぜしないか?小山さん解説。
 性犯罪に関する刑事法検討会 ヒアリング。
 ヒアリングの中で論点として注意した点:精神疾患、障碍者への配慮
性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査WG ヒアリング

[特集] 不同意性交等罪 (0:16:27)

不同意性交罪の法律案:全体
今の強制性交等罪・準強制わいせつの条項を修正する改正。
 不同意性交罪とは?小山さん解説
 何が変わったか?なぜ変える必要があったか?
  ポイント:処罰の範囲は変えていない、中身を変えている。裁判によって判決にぶれがある。処罰の範囲は変えず、内容を明確にしたというのが法務省の見解。
 現行178条に問題がある。山田さんより説明。
  心神喪失・抗拒不能ではわかりにくい。例として8つをあげた。
 例)暴行・脅迫、心身の障害、アルコール・薬物の影響、睡眠その他の意識不明瞭、同意しない意思を形成・表明・全うするいとまの不存在、予想と異なる事態との直面に起因する恐怖又は驚愕、虐待に起因する心理的反応、経済的・社会的関係上の地位に基づく影響力による不利益の憂慮 etc…
  →文言が帰ってわかりにくくなっているように思う。8項目の明確化を求めた。
  →法務省と議論して、例を明確にしていった。ただ、マインドコントロール下などについては議論が残っている。
 刑法として例を記載しているのは異例。弁護士としてはかえってわかりにくくなっているようには思う。by小山さん
「3」については国民的議論は呼ぶと思う。党内議論ではなく幅広に議論すべき、何歳にしてもなかなか難しい。今後議論になると思う。

わいせつの目的で若年者を懐柔する行為に係る罪
 16歳未満の喪に対する面会要求等罪 (グルーミングへの処罰規定)
 ポイントはP23 要件1-⑤ 状況は一つ一つことなる。解釈確定と運用規定が必要。ステルシング(妊娠を目的としない性交渉中、避妊策(コンドーム)を取る。避妊するという前提をくずす)
 告訴状の不受理の運用が現行のままだと二次被害になる。告訴状の記載例・受理場所はしめさないと犯罪被害者は救われないので法務省もHP等に掲載してほしい。
被害者側への負担はあってはならないようにと話した。捜査すべきものは捜査して担保してほしい。
ただ、当初の内容では被害者を守れない。
最初何が問題かな?と思ったが困難の解釈などは明確にしてほしいと感じた。byめぐめぐさん
党内で通ると国会で通ってしまうのでちゃんと検討しないといけない。
性的自由は大事だが16歳未満も含め、なんで?とは思う。年齢は正直どうでもいいが、本人がちゃんと理解できているかが重要。教育がやはり大事(包括的性教育:自分の体について知る、自部の体を大切にする、自分の性のコントロール権を担保するには理解が必要)教育をしっかりやらないと周りが決めてしまう、本人が意思を明確に言えるようにしないといけない。ほんとに守れるように課題をつぶしていった。

[特集] 撮影罪 (0:38:07)

撮影罪とは 山田さんより解説。
 性的姿態等撮影罪 小山さん解説。
  まずは①~③についてみていく。
 性的姿態 と 対象性的姿態 の意味。山田さんより説明。
  上記を踏まえて 撮影罪の法律案:2条を読む
  具体的ケース(こども相撲、家族間の子育て記録)もあげて検討していった。
  「正当な理由」はちゃんとあげていかないと萎縮につながりかねない。
  解釈は難しい。Q&Aみたいな形で書いてもらうのは一番安全。小山さん

[特集] (0:15:35)

性的映像記録提供等罪(3条)
性的映像記録保管罪(4条)提供又は公然陳列の目的で、性的映像記録を保管
性的姿態等映像送信罪(5条)
性的姿態等映像記録材(6条)
解釈が非常に難しい。※小山さん解説在り。
 撮影罪にはまだ論点が残っている。条例ではなぜだめなのかの議論もあったが、各所によってバラバラだから法律で固めるべき。(例:電車移動中の盗撮)
児ポ法とのバランスがよくないのでは?
 児ポ法の方が厳しいべきでは、との意見あり。バランスの議論も相当した。
 わいせつ行為の「わいせつ」を議論した。実態の被害の無いもの(マンガ、アニメ)などを含めても話がわからなくなるので、「わいせつ (175条等)」をはずして、社会法益に向けるべきではと法務省にも話した。何を守らないといけないのか。

[特集] 撮影罪の法律案 (0:56:33)

没収、消去・廃棄
 犯罪性のある記録物を早期に消さないとひろまってしまうかもしれないため検察官が発見したときに廃棄できるように、という法律。
 →ただ、合法の物を持っている人にいきなり廃棄命令を出すのはどうか。いまだと令状もなく削除できる。応じない場合は罰則もある記載されている。
守るための対策は必要だが検討しないといけない点が残っている。

[特集] 不同意性交等罪・撮影罪では防げない性被害 (1:01:58)

不同意性交罪・撮影罪では防げない性被害
 1、マインドコントロール:マインドコントロール下で性交等に同意してしまった場合
 2、ステルシング:性行為自体はどうしたが、途中で同意なく避妊具を 外された場合
 3、性器や下着を写さないトイレの盗撮:性器や下着が映らないようにトイレの個室に仕掛けられたカメラでの盗撮
このほか映り込みも議論になった。(自分の子ども(正当な理由)を撮影していたら、他の子の裸が写り込んだ場合) ラッキースケベについても論点残っている。
賛成は賛成だけど論点は残っている。メディアでも今後検討されると思う。
与党内での議論では懸念点はつぶした。
ブロッキングになぜつながるか? 山田さんより説明。児ポでではブロッキングは緊急避難策。今回の法改正はブロッキングには触れる予定はないと法務省も言っている。
通してから100点にあげていくのは大切と思った。byめぐめぐさん

[特集] 世論の心配の声 (1:09:46)

Twitterなどネット上の意見についての山田さん回答。
 A1、山田さんとしては初回のものでは実際は守れないと考えたから反対して、懸念点をつぶしていった。
 A2、そうならないように動いた。他懸念点あれば知らせてほしい。
 A3、色んな意見がある。千差万別。これから国民的な議論が進むと思う。年齢というよりは自分自身がちゃんと理解できているかが先。自分を守れるか。
 被害者を少なくすべきという意味で年齢を定めるのはわかるが、国が性行動異年齢を決めるのは自由を制限しているという意見もある。ここは国民の意見を聴きながら議論していくしかない。
 A4、虚偽告訴罪になる可能性も。文書のあるなしではなく事実を問う。
 A5、内容によっては正当な理由になる可能性はある。内容が不明。
 A6、撮影前提の水着であれば撮影罪にあたらない。解釈については懸念点あり。
 A7、ドラレコや監視カメラは故意もないし正当な理由なので問題なし。
 A8、正当な理由があるので問題なし。
撮影罪のやばい部分はしっかりつぶした。逆に言うと守られない部分がまだあるので今後も詰めていきたい。

[特集] まとめ (1:17:10)

すごい大変だった。法律の専門家と山田さんとで検討した。用語も難しくて毎回くたくた。
資料用意するのも大変だったので山田さんも読むの大変だったと思う。by小山さん
人を守る法律なのでちゃんと議論しないといけない。ちゃんと根拠がないと賛成はできない。一般の感覚が反映されているか、おかしなところがないかチェックはしてきた。
そういった姿勢に対してなぜ「反対している」と書かれたのかはわからない。

[エンディング] エンディング (1:21:58)

引き続き議論が続くと思うので新たな論点出たらさんちゃんねるでも話していきたい。
明日は山田さん内閣委員会で質問予定。今から文言を固めます。デジタルもあるので結構つらい時期。
山田さんは他の会議で理事もやってるのであまり法務部会に出れなかった、制限あるなかでスケジュール調整を荒井さんにやってもらいながら参加してた。超大変だった。by小山さん