山田さんの謎(2)

山田太郎アドベントカレンダー2023
氷川霧霞

山田太郎という議員は、かなり変わった議員ではないでしょうか。謎が多い。
昨年当選した赤松健議員は「今はまだ勉強中」と言っています。まあそうだよなと思います。全く違う、政治の世界に飛び込んだのだから環境に慣れて仕事のやり方を覚えて周りからも仕事を任せてもらえて成果だ出すまで、一定の期間は必要でしょう(でもそろそろでしょうか?)。

ところが、山田太郎議員の場合は違っていました。議員になっていきなり、大きな仕事を立て続けにやり遂げます。皆さん御存知の通り、児童ポルノ禁止法の無害化と、TPPでの著作権非親告罪化の阻止です。
山田太郎議員が繰り上げ当選して参議院議員になったのが2012年12月、そのわずか4ヶ月後に児童ポルノ禁止法改正案に対峙することになったのです。

それまではベンチャー企業の経営と大学教員で政治とはほぼ無関係だったはずなのに、2012年末に繰り上げ当選で議員になって早々、華々しい活躍をしています。ふつう、まったく新しい環境に入ってまだ戸惑っている頃ではないでしょうか。政党もできたばかりの「みんなの党」なので、研修が充実しているわけでもないだろうし同僚議員もほとんどは1年生議員ばかりで先輩議員から聞く機会も少なかったのではないでしょうか。
にも関わらず、児童ポルノ禁止法では的確に危険な条文を見抜き、逆に附則条項を付けるといったテクニカルな動きを見せています。
TPPでは交渉官から情報を引き出したり、古谷議員、馳文科大臣など自民党の大物議員を巻き込んで根回ししたり、条約レベルで問題を回避できた後も国内法の整備までしっかり目を光らせるなど、その勘所を押さえた立ち回りはとても新人議員とは思えませんでした。

最近になって分かったのは、これが山田太郎という議員なんだな、ということです。
記憶力抜群で頭の回転が速いという山田太郎議員生来の能力に加え、ロジカルシンキングなど、これまでビジネスマンとして磨いてきたスキルは、まったくの畑違いである政治の分野でも確実に力を発揮したんだということです。

僕は、こんな抜群の実行力を持つ山田太郎議員が表現の自由に関心を持ってくれたという、とてつもない幸運にとてもとても感謝をしています。